青森県の西側、日本海に面した鰺ヶ沢町は海の幸だけでなく、世界遺産白神山地の恩恵を受けた自然も豊かな土地。この場所で長谷川光司さん、洋子さん夫妻は約40年にわたって豚や鶏を育ててきた。２人が始めた「長谷川自然牧場」を訪ねてみると、驚くことに鶏が自由に走り回っている。さらに豚舎へ立ち入る際も消毒などいらない。家畜のインフルエンザが騒がれる現代で、これほど動物たちに近づける牧場は珍しい。「健康のために昔ながらの方法で飼い始めたんだ。ウチの動物たちは自然の中で育てているから、タフで外からの雑菌なんかに負けないよ。卵も肉も本物の味になるのはそういうこと」と光司さん。昔は農家が庭先で鶏を飼うことが一般的だったそうで、岩木山を望む贅沢な環境下で自由に過ごす動物たちを見ていると、経験したことのない懐かしさを感じる。

岩木山の眺望もよく、自家製飼料のおかげで臭いの少ない牧場。育てているところを消費者に見せたいと思い、農業関連の書籍で紹介されていた炭を利用した飼料を採り入れた。発酵飼料の山に手をいれるとしっとりと熱いのは飼料の善玉菌が生きている証。

人も動物ものんびりできる牧場

長谷川自然牧場で飼育している豚は700頭。敷地内にある３つの豚舎内が頭数の割に広々としているのは、密飼いによるストレスを豚に与えないためだ。そして家畜特有の臭いがさほど気にならない。その秘密が豚たちに与えている自家製の発酵飼料。一般に売られている飼料は使わず、廃棄になった食パンの耳や納豆などの発酵食品、規格外になった人参やジャガイモなどの野菜、微生物が豊富な山の腐葉土や米ぬかに、鰺ヶ沢から汲んだ海水と籾殻を燃やした燻炭を混ぜこんだ飼料を与えている。豚舎の隅では従業員の方がドラム缶を改造した窯の前で額に汗を浮かべながらエサの仕込みをしていた。籾殻は一晩で炭になるので、それを混ぜ込んだできたての飼料を朝に食べさせている。臭いが少ないのは炭による脱臭効果によるものだ。　一般的に豚は生後約６ヶ月、80キロ前後で出荷されるが、長谷川自然牧場では10ヶ月肥育し、120キロで出荷する。脂の多さは８ヶ月でピークを迎え、9〜10ヶ月になると肉の中に脂が浸透していく。「生きたまま熟成させてるの。ウチの肉が霜降りなのはそのおかげ。長く飼うから思い入れも違うよ」と洋子さん。　こうして愛情をこめて育てられた豚肉は臭みが少なく、噛むほどに旨味が染み出してくる。また脂身の融点が低いのが特徴で、舌の上で溶けて広がる甘さがなんとも言えないのだ。「長谷川熟成豚」としてブランド展開している豚肉は、その味が評価されて首都圏の飲食店でも提供され、有名店のシェフからは「冷凍しても味が落ちない」と太鼓判を押されている。

青森市出身の洋子さんは22歳で鰺ヶ沢へ。当初は農作業が嫌で仕方なく「青森まで歩いて帰ろうかな」と毎日のように思っていたそう。今では勉強会や県の事業、イベント出店などにも積極的に参加している。

健康な豚はおいしい

長谷川さん夫妻が安全・安心な食を提供したいと思うようになったのは自身の経験によるものだ。以前は葉タバコを手広く栽培していたが、光司さんは24歳の時に農薬の影響で身体を壊してしまった。それをきっかけに農薬を大量に使うことによる身体への影響や、食と健康について考えるようになる。「卵が好きだったので『おいしい卵が食べたい』という理由から鶏を育ててみたんです。健康を意識して化学的なものは配合せず、残飯主体のエサで育てたこの卵がうまかったんですよ」と光司さん。残飯と自身の畑で鶏糞を活用して育てた野菜のエサを食べて大きくなった鶏の卵は、黄身がふっくらして味が濃い上質なものだった。このおいしさを届けたいと、２人は近隣の市町村へ出向いて卵を売り歩いたという。20羽から始めた鶏も次第に増えると、野菜を育てるための鶏糞が足りないということで、堆肥を入れるために飼い始めたのが豚だった。もちろんこの豚たちも鶏同様にエサは残飯がメインだ。　今でこそ食品廃棄物等は業者が届けてくれるようになったが、始めた頃は残飯で家畜を育てるという理解が少なく、前述の自家製飼料の材料を仕入れるツテもなかった時代。自分たちの仕事が一段落した夕方からトラックいっぱいにバケツを積んで、弘前市や五所川原市の学校や病院の残飯を集めてまわり、夜遅くに帰ってくる日々を過ごした。「大変だったけど今思えば面白いこともいっぱい。残飯をもらいに行ってた自衛隊の方から表彰されたり、農業について勉強してからは虫が平気になったり、経験の全てが感動だった」と洋子さんは振り返る。嫁いできた頃は大の動物嫌いだったというが、「おはよう、腹へってらが？」なんて声をかけながら豚を撫でる様子からはそんな過去は微塵も想像できず、今では豚が喋っている内容が、なんとなく理解できるようになってきたんだとか。　長谷川自然牧場には毎年2000人が訪れる。動物との触れ合いやソーセージ作りなどの体験、学校の社会見学や同じ志を持つ研修生など…。忙しい中でも人を受け入れる理由は、動物が育って食卓に並ぶまでを知ってほしいから。「自然のおかげで豚が育ち、それを人間が食べて、自然の力を借りて再び育てるという循環のおかげで私達は生きていられる。命を頂く大切さを子どもたちに伝えるのも、畜産で生きる私達の役目だと思う」。２ショットを撮りたくてカメラを向けると、光司さんは「こういうほうがいいべ？」と、洋子さんの手を握る。呆れつつも大きく笑う洋子さん。サービス精神旺盛で人なつっこい長谷川夫妻の人柄こそ、長谷川自然牧場が愛される理由なのかもしれない。

生後2ヶ月の豚を仕入れ、10ヶ月まで肥育する。豚は体温調節が苦手なので、暑いときは自ら泥だらけになって体温を調整。よく観察すると顔や性格の違いがわかってくるのが面白い。

命を頂くということ

鰺ヶ沢町で長谷川自然牧場を営む長谷川さん夫妻。鶏が放し飼いにされた牧場では、全ての動物がのびのびと暮らし、中でもここで育てられた豚は質の高さから県内外から注目を集めているのだ。自然のものを食して育ち、土に還り、それを基に新たな命が生まれるという循環は家畜にも人間にも大切なこと。おいしい豚を育てるためのこだわりと、命の大切さを伝えたいという２人の話を聞かせてもらいました。

長谷川自然牧場

自然と自由を大切に、愛をこめた命を食卓へ

長谷川自然牧場で育った豚肉３種のしゃぶしゃぶセットです。
長谷川自然牧場独自の飼料とのびのびした環境で育った豚は、脂がサラッとしていて甘みがあり、赤身はお肉の旨みがぎゅっと詰まっていて格別の美味しさです。
モモ、ロース、バラが500gずつパックになっており、発泡スチロールのボックスに入れて冷蔵便でお届けします。しゃぶしゃぶ以外にも焼いたり煮たりどんなレシピでも美味しくいただけます。
【内容】
3パック（もも肉、ロース肉、バラ肉 各500g）

長谷川自然牧場のしゃぶしゃぶセット(もも・ロース・バラ)

長谷川自然牧場は、動物たちがなるべくストレスなく本来の毎日を過ごす畜産を追求し続けています。
通常6ヶ月飼育のところ、長谷川自然牧場の豚は10ヶ月間丁寧に育てます。豚舎は米のもみ殻の燻炭を敷き詰め、特有の臭いを消す努力をし、毎朝、豚たちに話しかけます。化学飼料は使わず、独自の発酵飼料を与えます。ストレスのない発育によって豚たちは「熟成」します。旨味のある肉、甘みと香りのある脂身。栄養価の高い、昔ながらの豚肉本来の美味しさです。ぜひご堪能ください。

長谷川自然牧場で育った豚肉３種のお肉ちょっとずつ楽しめる食べ比べセットです。
長谷川自然牧場独自の飼料とのびのびした環境で育った豚は、脂がサラッとしていて甘みがあり、お肉の旨みもぎゅっと詰まっていて格別の美味しさです。 
モモ、ロース、バラが200gずつパックになっており、発泡スチロールのボックスに入れて冷蔵便でお届けします。
【内容】
3パック（もも肉、ロース肉、バラ肉 各200g）

長谷川自然牧場の豚肉食べ比べセット(各200g)

長谷川自然牧場で育った豚肉をいろんな食べ方で楽しめるよくばりセットです。 お肉の味噌漬け、ポークソテーにぴったりなロース2枚、精肉の3点がセットになっています。
長谷川自然牧場独自の飼料とのびのびした環境で育った豚は、脂がサラッとしていて甘みがあり、赤身はお肉の旨みがぎゅっと詰まっていて格別の美味しさです。 
発泡スチロールのボックスに入れて冷蔵便でお届けします。
【内容】
みそ漬け肉真空パック（2枚)　1パック
ロース２枚真空パック（2枚）　1パック
もも肉、ロース肉、バラ肉のうちいずれか１種類200g　1パック

長谷川自然牧場のよくばり３種セット

<h2>牧場弁当（豚丼・生姜焼き）セット</h2>
長谷川自然牧場で育った豚肉が豚丼と生姜焼きになった牧場弁当セットです。
長谷川自然牧場独自の飼料とのびのびした環境で育った豚は、脂がサラッとしていて甘みがあり、赤身はお肉の旨みがぎゅっと詰まっていて格別の美味しさです。 そんな長谷川自然牧場の豚肉を調理することなく手軽に食べることができる豚丼と生姜焼きのセットです。
発泡スチロールのボックスに入れて冷蔵便でお届けします。
【内容】
豚丼真空パック（260g)　1パック 生姜焼き真空パック（260g）　2パック　2500円